間質性膀胱炎|横浜青葉ゆうクリニック|あざみ野の泌尿器科

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医療コラム

間質性膀胱炎|横浜青葉ゆうクリニック|あざみ野の泌尿器科

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎とは

間質性膀胱炎は、主に膀胱に関連する症状を特徴とする病気です。複雑な病因や症状、診断、治療の難しさから、長い間議論の的となってきました。最近では研究も進み、ガイドラインに基づいた治療を行うことができます。また、保険適応の治療法も行うことができるようになっています。

膀胱(ぼうこう)とは

膀胱は下腹部にあり(恥骨の裏あたり)尿を一時的に溜めておくための袋状の臓器です。膀胱はおしっこの通り道の一部で、主に尿を溜めて、排泄する役割を果たします。

尿は腎臓(左右一つずつあり、左右わき腹近くの腰のところにあります)で作られ、尿管を通って膀胱に運ばれます。膀胱は尿を一時的に溜め、尿の量が一定の程度に達した時に、尿意を感じて、尿道を通して体外に尿を出します。

 

間質性膀胱炎の定義

尿がたまると痛みを感じる・下腹部の不快感・トイレが近い、急に尿意を催すなどの症状、膀胱鏡所見、他の疾患がないことが重なると間質性膀胱炎とされます。

間質性膀胱炎は、細菌感染による炎症ではありません。原因は不明ですが、膀胱壁に炎症や傷害が生じ、膀胱の正常な機能が妨げられることで、膀胱の異常感覚や痛みが生じます。

炎症とは、体の中で起こる生体防御反応で、体が異物や損傷から守るために起こる自然な反応です。炎症は細菌、ウイルス、けが、アレルギー反応など、さまざまな刺激によって引き起こされます。

 

間質性膀胱炎の病因

間質性膀胱炎の正確な病因は不明ですが、いくつかの理論が提唱されています。自己免疫反応、膀胱内の環境変化、アレルギーなどが関与している可能性があります。感染症ではなく、非感染性の炎症反応が主な特徴です。

 

間質性膀胱炎の症状

間質性膀胱炎の症状は個人差があります。一般的な症状には、以下のようなものがあります。

頻尿:

ご自身で感じているよりもこまめにトイレに行きたくなります。

畜尿痛:

おしっこを出す際ではなく、ためる際に鋭い痛みや刺激を感じます。

下腹部痛、下腹部の不快感:

膀胱の近くで痛みや不快感が生じることがあります。

 

間質性膀胱炎の診断

間質性膀胱炎の診断は難しく、他の疾患との鑑別診断が重要です。よく似た疾患で細菌感染が原因の膀胱炎や過活動膀胱があります。以下のような方法で診断をします。

症状の詳細な問診:

詳しくお話を伺うことで、間質性膀胱炎の特徴となる症状がわかることもあります。

排尿日誌の作成:

尿の頻度や量、痛みの程度などを記録することで診断に役立ちます。

膀胱鏡検査:

膀胱内の状態を直接確認するために行われます。必要な時には生検を行うこともあります。

尿検査:

おしっこの細菌感染など他の疾患を除外するために行われます。

 

間質性膀胱炎の治療

間質性膀胱炎の治療は個々の症状と重症度に基づいて選択されます。治療法には以下のようなものがあります。

生活指導:

ストレスをためないようにすること、よく飲水することが挙げられます。

食事療法:

刺激物質(カフェイン、アルコール、柑橘類など)の摂取を制限することで症状を軽減します。

薬物療法(内服薬):

痛みや炎症を抑える薬物を使用します。ただし根本的な治療ではなく、出てくる症状に対する対症療法となります。

薬物療法(薬物の膀胱内注入):

薬剤を膀胱内に直接注入する方法です。ジメチルスルホキシドが、20214月にから保険適用となりました。

 

最後に

間質性膀胱炎は、病因や症状が多岐にわたり診断と治療が難しい病気ですが、治療によって患者様の生活の質を向上させることができます。もし心当たりがあれば、お気軽にご相談ください。

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