膀胱結石
- 2023年8月8日
- 男性の泌尿器科
膀胱結石
膀胱結石とは
膀胱結石(ぼうこうけっせき)は、ほとんどが腎臓の内側の腎盂で形成された結石が尿管を通って膀胱内に移動したまったものがほとんどです。特に男性の場合、前立腺肥大症などでおしっこの通りが悪いと、なかなか尿道に流れ出ず、膀胱内で長期間にわたって存在することがあります。膀胱結石は膀胱内にとどまり続けた場合、時間の経過とともに大きくなる傾向があります。
腎臓とは
腎臓は、左右1つずつありそら豆の形をした臓器で腰のあたりに位置しています。体内の老廃物や余分な物質をろ過し、尿として体外に排泄しています。体内の水分や電解質のバランスを維持し、体内で不要となったものを排出する重要な機能を担っています。
腎盂とは
腎盂(じんう)は、腎臓の一部であり、尿が蓄積される部分を指します。腎盂は腎臓の内部にあり、尿が腎臓で生成された後、腎盂に集まります。腎盂は腎臓の内側にある凹んだ部分で、尿を一時的に蓄積してから尿管へと尿を流します。
尿管とは
腎臓(腎盂)と膀胱をつなぐ管でおしっこの通り道となります。左右1本ずつあります。筋肉の管で、蠕動運動をすることで尿を上から下へ逆流させずに流しています。
膀胱結石の原因
膀胱結石の主な原因は、膀胱から尿道にかけて尿の流れが悪い状態が続くと膀胱結石ができやすくなります。男性特有のもので前立腺肥大症、男女ともにみられるもので神経因性膀胱、膀胱留置カテーテル長期留置、膀胱憩室などが原因となります。
前立腺肥大症:
男性特有のものです。膀胱から尿の出方が悪くなります。そのため、腎盂、尿管から下降してきた結石も膀胱から排出されにくくなります。
神経因性膀胱:
神経系の病気により膀胱の動きが悪くなり、膀胱内に結石が蓄積されやすくなります。
膀胱留置カテーテル長期留置:
尿路感染症を引き起こすため結石ができやすくなります。また、挿入したカテーテルに結石が付着します。
尿路感染症:
繰り返す尿路感染症により、結石が作られることがあります。
食事:
食事に含まれる特定の成分や栄養素を過剰に摂取することで、尿の結晶化を促進することがあります。例えば、カルシウム、尿酸、シュウ酸の食品などがその一例です。
水分摂取不足:
適切な水分を摂取しないことで尿中の溶質が濃縮され、結石ができやすくなります。
残尿:
尿が膀胱内に滞留することで尿中の成分が濃縮され、結晶化が進むことがあります。
代謝異常:
体内の代謝異常によって、尿中の成分のバランスが崩れ、結石が形成されるリスクが高まります。
膀胱結石の症状
膀胱結石の症状は、石の大きさや位置によって異なりますが、一般的に以下のような症状が現れることがあります。
腹痛:
膀胱結石により膀胱粘膜が刺激されることで、下腹部に痛みが生じることがあります。
排尿困難:
結石が尿道を通る際に排尿が困難となることがあります。特に男性は尿道が長いため、男性に多く見られます。
血尿:
尿中に血液が混じることがあります。
頻尿:
結石の刺激によって、頻尿を認めることがあります。
おしっこの細菌感染:
膀胱結石がおしっこの細菌感染を引き起こすことがあります。
膀胱結石の診断
膀胱結石の診断は、主に尿検査、超音波検査、X線検査、CT検査、膀胱鏡検査などを用いて行われます。
尿検査:
おしっこの濁りがないか調べます。癌細胞があるかどうかを調べることもあります。
超音波検査:
膀胱結石があるかどうかを調べます。膀胱の形に問題がないか、おしっこの出し残りがないかを調べることができます。
膀胱鏡検査:
ファイバースコープの内視鏡を尿道から挿入し膀胱内を観察します。膀胱の形状や大きさ、個数も確認することができます。尿道と膀胱が問題ないかも確認することができます。
膀胱結石の治療法
治療法は、石の大きさや症状に応じて異なりますが、一般的には以下の方法が考慮されます。
膀胱内手術:
膀胱内に特殊な器具を挿入し、結石を破砕し摘出する手術を行います。
開腹手術:
大きな結石があり、膀胱鏡手術が長時間要すると考えられるときに開腹手術を行うことがあります。
膀胱結石の予防
予防のためには、適切な水分摂取、バランスの取れた食事、適度な運動、尿路感染症の早期治療などが重要です。特に原因がはっきりしている場合には(例えば前立腺肥大症など)、そちらの治療を行うことで膀胱結石の予防につながります。
最後に
膀胱結石は、放置すると合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。少しでも膀胱結石の症状に当てはまり、おかしいなと思ったらお気軽にご相談ください。