尿道炎(急性尿道炎)
- 2023年8月7日
- 男性の泌尿器科
尿道炎(急性尿道炎)
急性尿道炎とは
急性尿道炎は、尿道が炎症を起こしている状態を指します。
炎症とは、体の中で起こる生体防御反応で、体が異物や損傷から守るために起こる自然な反応です。炎症は細菌、ウイルス、けが、アレルギー反応など、さまざまな刺激によって引き起こされます。
尿道は膀胱から体外に尿を排出するための役割をしているため、先端で体外と交通しています。そのため、細菌やウイルスなどの病原体が尿道の先端から侵入することで感染が起こります。急性尿道炎は、尿道の内側の粘膜が炎症を起こすことによって、尿道の排尿時の痛みや不快感、その他の症状を引き起こします。
尿道とは
尿道は尿を膀胱から体外へ運ぶ役割をしています。男性と女性では尿道の長さや位置が異なるため、それぞれの性別によって異なる構造をしています。
男性の場合、前立腺内を通った尿道は陰茎の中を通って尖端から尿を出します。また、男性の尿道は精液も通過させるための管でもあります。精液は前立腺内で尿道へと出てきます。
急性尿道炎の原因
急性尿道炎の主な原因は通常は細菌感染です。尿道炎を引き起こす細菌として一番頻度が多いものとして、大腸菌(Escherichia coli)があります。この菌は通常は腸内に存在していますが、尿道に侵入して感染を引き起こすことがあります。また、他の細菌や性感染症も急性尿道炎の原因となることがあります。
急性尿道炎の症状
急性尿道炎の症状は、個人によって異なる場合がありますが、一般的な症状には以下のものがあります:
尿道からの分泌物:
尿道炎の際には、尿道からいつもでは見られない分泌物(膿や血)が見られることがあります。
排尿時の痛みと刺激:
尿を排泄する際に痛みや灼熱感を感じることがあります。また、頻尿や尿意切迫感もみられることがあります。
尿の変化:
尿の色が濃くなったり、においが異常に強くなったりすることがあります。
下腹部の不快感:
下腹部や恥骨付近に不快感や痛みを感じることがあります。
性交時の痛み:
性交時に痛みを感じることがあります。
急性尿道炎の診断
急性尿道炎の診断は、問診、尿検査、尿培養検査によってされます。
問診:
前述の急性尿道炎の症状があるかどうかを確認します。
尿検査:
尿中に白血球があるかどうかを確認します。
尿培養検査:
原因となっている菌を同定します。薬剤感受性検査を行うことで適切な抗菌薬を選ぶことができます。
急性尿道炎の治療
一般的には、抗菌薬を用いた治療が行われます。治療期間中は特によく水を飲むことをお勧めしています。ただし、感染の原因によっては、適切な抗菌薬の選択が重要です。
急性尿道炎の予防法
急性尿道炎の予防策としては、以下のようなことが挙げられます。
よく水を飲むこと:
十分な水分摂取を行うことで、尿道を洗浄し細菌の増殖を抑えることができます。また尿道に侵入した細菌を洗い流すことができます。
適切なトイレ習慣:
尿意を我慢せずに適切なタイミングで排尿を行うことが大切です。
避けるべき行動:
締め付けの強い服や、蒸れやすい下着を避け、通気性の良い下着を選ぶことがいいとされています。
性感染症の予防:
安全な性行為を実践することで、性感染症による尿道炎のリスクを低減できます。性行為前の入浴、性行為前後にトイレを済ませることで、感染リスクを低減できます。
最後に
急性尿道炎は尿道の炎症を特徴とする感染症であり、よく飲水することなどで予防することができます。普通に生活していてもかかる可能性のある病気です。はずかしいと感じる必要は全くなく、もしかかってしまっても早期の診断と治療が重要であり、症状がある場合は医師の診察を受けることをおすすめします。