尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは

性器へのヒトパピローマウイルス感染による性感染症の一つです

ヒトパピローマウイルスは200種類以上の遺伝子型に分類されていますが、90％以上はヒトパピローマウイルス６型または11型が尖圭コンジローマの原因となっています。

また、尖圭コンジローマを引き起こす可能性のあるものとして、発がん性のあるヒトパピローマウイルス16型、18型があります。

 

ヒトパピローマウイルスの感染の仕方

粘膜型のヒトパピローマウイルスは、性的接触により感染します。

皮膚や粘膜の小さな傷から侵入したり、女性の子宮頚部にある扁平上皮円柱上皮境界領域から侵入したりします。

感染後３週～８カ月（平均2.8カ月）経ってから性器に発生するいぼとして認識されます。

感染のきっかけははっきりしないことが多いです。その理由は２つ考えられます。

一つはわずかな感染のため症状が発生しない場合です。この場合は検査でも検出されません。

もう一つは感染しウイルスは増えてもいぼとして症状を認めない場合です。

これらの場合、感染に気が付かずに過ごしている可能性があります。

 

尖圭コンジローマの症状

粒状の複数のいぼができます。

鶏のとさかのように見えることもあれば、カリフラワーのように見えることもあります。

いぼはピンク色か茶色です。

発生する場所は、陰茎の亀頭、冠状溝、陰茎、陰嚢、肛門周囲などに発生します。

場所により痛みやかゆみを伴うことがあります。

感染するヒトパピローマウイルスの型によっては、外陰癌、陰茎癌の原因となります。

 

尖圭コンジローマの診断

感染の機会があるかの確認と、いぼの形が特徴的なので視診で診断が可能です。

切除したものを病理検査に提出することでも診断できます。

肛門周囲にできたものは外科の先生に診察をお願いさせていただき、直腸鏡による検査が必要になります。

 

尖圭コンジローマの治療

塗り薬、凍結療法、レーザー蒸散などによる外科的療法などの治療法があります。

それぞれの治療で治癒率は60～90％、再発率は20～30％なのでいくつかの治療を組み合わせて治療しなければならないこともあります。

塗り薬；

イミキドモ５％クリームは１日おきに週3回塗ります。薬を塗った後、6～10時間後にきれいに洗い流します。

塗り薬の場合、いぼが消えるまで数カ月時間がかかる方もいます。

塗った場所の周囲がただれてきてしまう副作用があります。

外科的治療：

凍結療法による治療やレーザーによる蒸散法、電気メスやハサミによる切除法があります。

ただし、いぼ以外の場所いるウイルスは治療できないため、単独の治療では再発の危険性はあります。

 

治療判定

３カ月以内に25％が再発するといわれているので、少なくても3カ月は経過観察が必要です。

 

尖圭コンジローマの予防

はがれた小さな皮膚からヒトパピローマウイルスは他の人に接触感染します。

コンドームの着用が感染対策となりますが、広範囲に感染がある場合はコンドームだけで完全に予防することはできません。

女性ではウイルスの型によってワクチンがありますが、現在国内では男性への摂取は未承認です（自費でのワクチンは投与可能です）。

 

最後に

尖圭コンジローマが見つかった場合、パートナーの治療も行わないと、治療を行ったとしても再度感染する危険性があります。また、ウイルスの型により将来発がんのリスクも高まります。もし、心当たりがあればお気軽にご相談ください。