αリポ酸
- 2023年8月16日
- 自費診療
αリポ酸
αリポ酸とは
αリポ酸はチオクトとも言います。
人の細胞内のミトコンドリアと呼ばれる小器官内に含まれています。
細胞内でエネルギーを発生させる機構はクエン酸回路と呼ばれますが、αリポ酸はこのクエン酸回路に直接作用し、活性化を促します。つまりエネルギー産生に必要な物質です。
さらに、αリポ酸は抗酸化作用を持ち、体内の酸化ストレスを軽減する働きがあるとされています。
αリポ酸は水溶性と脂溶性の二つの性質を持ちます。そのため、細胞の外からも細胞の中からも抗酸化作用を発揮できます。
酸化ストレスとは
私たちは呼吸により酸素を取り込んで生きています。その酸素は、外部からの様々な刺激を受け、反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰に作られると細胞を傷つけ、がん、心臓を含めた血管系の病気ならびに生活習慣病など様々な病気をもたらす要因となります。そのため、私たちの体の中には、活性酸素の傷害から自分の体を防御する抗酸化防御機構が備わっていますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態を酸化ストレスといいます。
αリポ酸の働き
強い抗酸化作用:
酸化ストレスに対するビタミンとして、ビタミンE、ビタミンCが知られています。αリポ酸はこれらのビタミンの400倍の抗酸化作用があるといわれています。
血糖値のコントロールに関与:
αリポ酸は糖質の代謝にも関与しています。糖尿病患者に対する研究では、αリポ酸が血糖値の調節をサポートし、インスリン感受性を向上させる可能性があるとされています。つまり食後に上昇した血糖値が下がりやすくなります。
糖尿病の合併症のリスク低下:
神経障害の症状を和らげることに関与しています。糖尿病が進行すると眼の神経が障害されますが、この糖尿病性網膜症のリスクを軽減することが知られています。
コラーゲン産生:
αリポ酸によりコラーゲン産生が促されることがわかっています。コラーゲンが十分に産生されると、皮膚の新陳代謝が促進されるため美肌に効果があることが期待されます。
金属のキレート作用:
体内である金属元素の濃度が高まった際にその金属と結合して、その濃度を下げることをキレート作用といいます。αリポ酸にはキレート作用があり、有害物質の排出を促します。
αリポ酸を含む食品
レバー、ホウレンソウ、にんじん、トマト、ブロッコリー、芽キャベツがあります。
最後に
私たちが生きていくためにはエネルギー産生は不可欠です。αリポ酸は細胞内でミトコンドリアがエネルギーを効率よく作り出すために必要な成分です。また、αリポ酸には強い抗酸化作用があります。しかもこの抗酸化作用は、水溶性と脂溶性の両方の効果を持ったαっリポ酸によって細胞の内外からもたらされます。強い疲労を感じたときにαリポ酸を摂取することで、エネルギー産生、抗酸化作用で疲労回復に貢献してくれます。
αリポ酸にはコラーゲン産生を助ける一面もあります。コラーゲンは皮膚の新陳代謝に重要な働きをします。また、αリポ酸の持つ抗酸化作用により、肌のハリに関係する真皮を守る働きもします。これらの働きでシミ、しわを防ぐようになり肌の老化予防につながります。